ゲーム素材をAIで作る方法【2026年版】立ち絵・ドット絵・BGM・効果音

ゲーム素材をAIで作るときにつまずきやすいのは、生成そのものより「生成した後」です。立ち絵の背景が白いまま残っていたり、ドット絵のサイズがばらばらだったりすると、そのままではゲームに読み込めません。BGMがループの継ぎ目で途切れるのもよくある問題です。
この記事では立ち絵・ドット絵・背景・3Dモデル・BGM・効果音の6種類について、使う道具とゲームに組み込める形へ整える手順を順番に説明します。後半には、2026年10月時点の主要ツールについて、プランごとの商用利用の可否を表にまとめました。無料プランで作った素材を販売作品に使えるかどうかは、ツールごとに条件が違うので、公開前に必ず確かめてください。
この記事の目次
ゲーム素材をAIで作る流れ
素材の種類が違っても、工程はおおむね同じです。最初にゲーム側の条件を決めておくと、生成した後の手直しが少なくて済みます。
- STEP 1仕様を決めるサイズ・形式・画風
- STEP 2生成する複数案から選ぶ
- STEP 3整える透過・切り出し・ループ
- STEP 4組み込むエンジンで読み込む
- STEP 5権利を確認プランと規約
STEP 1で決めるのは、画像なら縦横のピクセル数と画風、音ならファイル形式と長さです。例えば「キャラは横向きで32×32ピクセル、4色前後の明るいドット絵」と決めてから生成すると、後で全部作り直す事態を避けられます。
素材別の主なツール
2026年10月時点でゲーム制作によく使われている道具を、素材の種類ごとに並べました。どれも単体で完結するわけではないので、画像編集や音声編集のソフトと組み合わせて使います。
| 素材 | 主なツール | 特徴 |
|---|---|---|
| 立ち絵・表情差分 | Nano Banana 2(Gemini)、ChatGPTの画像生成 | 同じキャラを保ったまま表情や服を変えやすい |
| ドット絵・アニメ | PixelLab | 4方向・8方向のキャラや歩行アニメ、タイルセットを作れる |
| 背景・一枚絵 | Midjourney、Nano Banana 2、ChatGPT | 雰囲気のある風景が得意。サイズの調整は別に行う |
| 3Dモデル | Meshy、Tripo AI | 文章や画像から3Dモデルを作り、GLBなどで書き出せる |
| BGM | Suno | 歌入りの曲もインストも作れる。ループ処理は別に行う |
| 効果音・ボイス | ElevenLabs | 文章で説明した効果音を作れる。読み上げ音声も得意 |
| 自前の環境 | Stable Diffusion、ComfyUI | 自分のパソコンで動かす。性能の高いGPUが必要 |
GoogleのNano Bananaは複数の版があり、2026年2月に公開されたNano Banana 2がGeminiアプリの標準になっています。名前や提供範囲は変わりやすいので、使う前にアプリの表示を確かめてください。
指示文の書き方の例
どのツールでも、指示文には「何を」「どんな見た目や音で」「どんな形で使うか」の3つを入れると結果が安定します。使い道まで書いておくと、構図や長さをゲーム向けに合わせてくれます。
| 素材 | 指示文の例 |
|---|---|
| 立ち絵 | ノベルゲームの立ち絵。16歳の少女、肩までの黒髪、紺のセーラー服。正面を向いた膝上の構図。背景は単色の緑 |
| ドット絵 | 32×32ピクセルの勇者。右向き、青いマント、剣を持つ。歩行アニメ4コマ |
| 背景 | 横スクロールゲームの遠景。夕暮れの山並みと空だけ。16:9。手前に物を置かない |
| BGM | RPGの草原フィールド曲。明るくテンポ120前後、笛と弦楽器、歌なし |
| 効果音 | コインを拾う短く明るい音。0.3秒程度。残響は少なめ |
うまくいかなかったときは、指示文を全部書き直すより、気になった点を1つだけ足して作り直すほうが近づけやすくなります。「もっと明るく」より「影を薄く、空の色を水色に」のように、変えたい部分を具体的に書くのがコツです。

立ち絵と表情差分を作る
ノベルゲームやRPGの会話シーンで使う立ち絵は、表情違いを何枚もそろえる必要があります。1枚ずつ別々に生成すると、髪型や服の細部が少しずつずれていきます。
キャラクター設定シートを先に作る
最初に、そのキャラの基準になる画像を1枚決めます。正面・横・後ろの三面図や、全身が入った立ち姿を作っておくと、後の差分づくりが安定します。あわせて髪と目の色、服の部品、身長の目安を文章でメモしておきましょう。プロンプトに毎回同じ説明を入れられるので、生成ごとのぶれを抑えられます。
同じキャラのまま表情を変える
Nano Banana 2やChatGPTの画像生成は、元の画像を渡して「この画像の人物のまま、表情だけを笑顔に変えて」のように指示できます。表情は一度に全部を頼まず、笑顔・怒り・驚き・悲しみと1つずつ作ると、顔以外の部分が変わりにくくなります。
差分を重ねて表示するゲームでは、体の位置とサイズがそろっていることも大切です。生成後に画像編集ソフトでキャンバスの大きさを統一し、足元や頭の位置を合わせてから書き出します。
背景を透過したPNGにする
立ち絵はキャラ以外の部分を透明にしたPNGで使います。生成時に「背景は単色の緑」のように指定しておくと、後で背景を抜く作業が楽になります。背景の削除に使うのは、画像編集ソフトの自動選択機能や背景除去の専用ツールです。髪の毛の先に元の背景色が残っていないか、暗い背景の上に置いて確かめると見落としが減ります。
ポイント
既存の作品のキャラ名や作品名、特定の絵師の名前をプロンプトに入れるのは避けてください。文化庁の考え方では、既存の作品に似ていて、しかもその作品を元にしたと判断されると著作権侵害になりえます。作品名を指示に含めると、元にしたと判断されやすくなります。
ドット絵とスプライトシートを作る
ドット絵は、普通の画像生成で作ると1ドットの大きさがばらばらになりがちです。ドット絵専用のツールを使うか、生成後にピクセルをそろえる作業が必要になります。
サイズを先に決める
キャラは16×16、32×32、48×48ピクセルのどれかに決めるのが一般的です。タイルもキャラと同じ基準の大きさにそろえると、マップに並べたときに見た目がそろいます。ゲーム内で拡大表示するときは、ぼやけないよう補間なしで拡大する設定が必要です。Phaserなら設定にpixelArt: trueを入れ、Godotならテクスチャのフィルターを最近傍(Nearest)にすると、くっきりした表示のまま拡大できます。
PixelLabでアニメーションまで作る
PixelLabはドット絵に特化した生成ツールです。キャラを4方向や8方向で作ったり、歩く・攻撃するといったアニメーションのコマを作ったりできます。タイルセットの生成や、ドット絵編集ソフトAsepriteとの連携も可能です。外部のツールとつなぐMCPにも対応しており、Claude Codeなどのエージェント型ツールから呼び出して素材を作る使い方も公式に案内されています。
無料で試す場合は、生成できる回数と画像の大きさに制限があります。2026年10月時点の公式FAQによると、無料トライアルでは40回の高速生成ができ、その後は1日5回・200×200ピクセルまでという制限です。
スプライトシートにまとめる
アニメーションのコマは、1枚の画像に並べたスプライトシートにまとめるとゲームで扱いやすくなります。コマの大きさを全部同じにして横一列か格子状に並べ、何コマ目がどの動きかを記録しておきます。コマをまとめてシートとして書き出すには、AsepriteやFree Texture Packerなどのツールが便利です。

背景とタイルを作る
一枚絵の背景は、画像生成が特に得意とする素材です。ただし、ゲーム画面の比率と合わないまま使うと、端が切れたり引き伸ばされたりします。
画面の比率で生成する
横向きのゲームなら16:9、スマホの縦画面なら9:16のように、ゲームの表示比率に合わせて生成します。キャラが立つ位置には細かい模様を描き込まないよう指示しておくと、キャラが背景に埋もれにくくなります。
奥行きのある横スクロール背景
横スクロールのゲームでは、遠景・中景・近景を別々の画像にして、違う速さで動かすと奥行きが出ます。この手法が多重スクロールです。生成するときは「空と山だけ」「木々だけ、背景は透明にしたいので単色」のように、層ごとに分けて作ります。
つなぎ目のないタイル
地面や壁のように繰り返して敷き詰める画像は、端と端がつながっていないと継ぎ目が目立ちます。生成した画像を並べてみて、継ぎ目が見えたら画像編集ソフトで境目をぼかすか、PixelLabのようなタイル生成に対応したツールを使います。
3Dモデルを作る
MeshyやTripo AIは、文章や1枚の画像から3Dモデルを作るサービスです。小物や敵キャラの試作には十分な品質が出る一方、そのままでは重すぎたり、動かすための骨組みが入っていなかったりします。
書き出す形式と重さ
ブラウザのThree.jsやGodotでは、GLB形式が扱いやすい形式です。Unityでは、FBXを使う人が多いでしょう。生成されたモデルは面の数が多くなりがちなので、スマホやブラウザで動かすなら面の数を減らしてから書き出します。各サービスの書き出し画面やBlenderで、面を減らす処理を行えます。
動かすなら骨組みを入れる
キャラを歩かせるには、リグと呼ばれる骨組みを入れる必要があります。人型のキャラなら自動でリグを入れる機能を持つサービスもありますが、関節の曲がり方がおかしくなることもあります。実際に動かして確かめ、不自然な部分はBlenderで直してください。
BGMと効果音を作る
音の素材は、画像よりも「ゲームの中でどう鳴るか」の確認が大切です。曲として聴いて良くても、ループの継ぎ目や音量の差で遊びにくくなる場合があります。
BGMをループさせる
Sunoで作る場合、ゲームのBGMには歌なしのインストを指定すると会話の邪魔になりません。曲調とテンポ、使う楽器を文章で伝え、何曲か作ってから選びます。
生成された曲はイントロとエンディングがついた1曲の形なので、ゲームで繰り返し流すにはループ用に切り出す作業が必要です。無料の音声編集ソフトAudacityで曲を開き、拍の頭で始まりと終わりを切り出して、継ぎ目で音が途切れないか繰り返し再生して確かめます。書き出す形式はOGGかMP3が一般的です。ブラウザゲームでは対応の広さからMP3、GodotではOGGがよく使われます。
効果音を作る
ElevenLabsの効果音生成では、「木の扉がきしみながら開く音」「短く明るいコイン取得音」のように文章で音を説明して作れます。1回の生成で200クレジットを使います。ジャンプやコインのように何度も鳴る音は、0.5秒以内の短い音にすると、連続して鳴ったときに重なりすぎません。
複数の効果音を作ったら、音量の大きさをそろえます。Audacityの「ノーマライズ」で最大の音量を一定にしておくと、特定の音だけ耳に刺さる問題が減ります。

プラン別の商用利用の可否(2026年10月時点)
作ったゲームを販売する、広告をつけて公開する、といった使い方は商用利用にあたります。主なツールのプランごとの条件を、2026年10月時点の各社の公式ページをもとにまとめました。規約は予告なく変わることがあるため、公開前に各社の最新の規約を確認してください。
| ツール | 無料プラン | 有料プラン | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT(画像生成) | OpenAIの規約上、出力の権利は利用者に帰属 | 同じ | 他人の権利を侵害しない範囲での利用が前提 |
| Gemini(Nano Banana) | Googleは生成物の所有権を主張しない | 同じ | 目に見える透かしは設定でオフにできるが、見えない透かし(SynthID)は残る |
| Midjourney | 無料プランなし | 商用可。前年の年商が100万ドルを超える企業はProかMegaが必要 | Basic・Standardでは生成画像が公開ギャラリーに載る |
| PixelLab | 無料トライアル分も含め、利用規約上は利用者が権利を持つ | 同じ | 生成画像を別のモデルの学習に使うことは禁止 |
| Meshy | CC BY 4.0。Meshyのクレジット表記をすれば商用可 | 生成物は利用者のもの。表記なしで販売・配布できる | 無料のまま使う場合は表記を忘れない |
| Tripo AI | モデルは公開扱いで商用不可 | 非公開にでき、商用可 | 無料で作ったモデルを販売作品に使わない |
| Suno | 商用不可。曲のダウンロードもできない | Pro・Premierは商用可 | 無料プランで作った曲は、後で有料プランに入っても原則として商用利用の対象外 |
| ElevenLabs | 商用不可 | Starter(月6ドル)以上で商用ライセンスあり | 声のクローンは本人の許可がある声だけに使う |
料金の目安
同じく2026年10月時点の公式ページでは、SunoのProが月8ドル、Premierが月24ドルと表示されています。年払いにすると割引になる仕組みです。ElevenLabsはStarterが月6ドル、Creatorが月22ドルで、MeshyのProは毎月1,000クレジットが付きます。音と画像を両方そろえる場合、月数千円の出費を見込んでおくと計画が立てやすくなるでしょう。
注意
「無料で作って、そのまま売る」は、多くのツールで認められていません。SunoやElevenLabs、Tripo AIの無料プランは商用不可です。販売を予定しているなら、素材を作り始める時点で有料プランに入っておくと、後から作り直す手間がかかりません。
規約上は商用利用できる素材でも、既存の作品に似すぎていれば著作権の問題になりえます。Steamで販売する場合は、プレイヤーが目にする画像や音に生成AIを使ったことを申告する必要もあります。詳しくはAIで作ったゲームの著作権と規約チェックリストとSteamでAI生成ゲームを売る方法を参考にしてください。

ゲームに組み込むときの形式とサイズ
最後に、素材をゲームに読み込むときによく使う形式をまとめます。形式とフォルダの決まりを最初に決めておくと、コード生成ツールに素材の読み込みを頼むときも指示が短くて済みます。
| 素材 | 形式 | 目安 |
|---|---|---|
| 立ち絵 | 透過PNG | 表示サイズの2倍程度。差分はキャンバスを統一 |
| ドット絵 | PNG(スプライトシート) | 16・32・48ピクセル単位。補間なしで拡大 |
| 背景 | PNGかJPEG、WebP | 画面サイズに合わせる。容量が大きければWebPにする |
| 3Dモデル | GLB、FBX | ブラウザやスマホ向けは面の数を減らす |
| BGM | MP3かOGG | ループ用に切り出す。1〜2分程度 |
| 効果音 | MP3、OGG、WAV | 短く切り、音量をそろえる |
ブラウザゲームでは、素材の合計容量が大きいと読み込みに時間がかかります。画像はWebPに、音は必要以上に高い音質にしないなど、公開前に容量を見直してください。素材を使ったゲーム本体の作り方は、Claude CodeとCodexでゲームを作る手順で扱っています。

関連記事ドット絵をAIで作る方法【2026年版】生成からゲームに入れるまでの手順
よくある質問
AIで作ったゲーム素材は著作権で守られますか
文章で指示しただけで生成した画像や音には、著作権が認められにくいと考えられています。人が手を加えて創作的な表現を足した部分は、その人の著作物になりうるという考え方が一般的です。他人に素材を使われたくない場合は、生成物に自分で描き込みや編集を加えておくと主張しやすくなります。
無料プランで作った素材を、有料プランに入った後で販売作品に使えますか
ツールによって扱いが違います。Sunoのヘルプでは、無料プランで作った曲は後から有料プランに入っても、原則として商用利用の対象にならないと案内されています。ほかのツールも、作った時点のプランで判断される場合があるため、公式のFAQで確かめてください。
同じキャラの絵がどうしてもそろいません
基準になる画像を1枚決め、毎回その画像を渡して「この人物のまま」と指示するのがいちばん確実です。服装や髪の特徴を文章で固定しておき、1回の指示で変える要素を1つだけにすると、ぶれが小さくなります。
BGMの継ぎ目でプツッと音がします
切り出した位置で波形が途切れていることが原因です。Audacityで切り出す位置を波形が0に近いところに合わせるか、終わりと始まりにごく短いフェードを入れると目立たなくなります。
素材を作るのにパソコンの性能は必要ですか
ブラウザで使うサービスなら、一般的なパソコンやスマホで足ります。Stable DiffusionやComfyUIを自分のパソコンで動かす場合は、性能の高いGPUが必要になります。
まとめ
ゲーム素材をAIで作るときの基本は、生成の前にサイズと形式を決め、生成後に透過・切り出し・ループ・音量調整を済ませてからゲームに組み込むことです。どのツールも生成した直後の状態ではゲームに合わないことが多く、整える工程にこそ手間をかける価値があります。
販売や広告収入を考えるなら、使ったツールのプランが商用利用を認めているかを公開前に確かめてください。全体の工程はAIゲームの作り方完全ガイドにまとめています。
この記事のまとめ
- 生成前にサイズ・形式・画風を決めておくと作り直しが減る
- 立ち絵は基準の1枚を決め、表情は1つずつ変えて透過PNGにする
- ドット絵は大きさを統一し、スプライトシートにまとめて補間なしで表示する
- BGMはループ用に切り出し、効果音は短く切って音量をそろえる
- Suno・ElevenLabs・Tripo AIの無料プランは商用不可。Meshyの無料プランはクレジット表記が条件
- 規約は変わるので、公開前に各社の最新の規約を確認する











