AIゲーム最新ニュースまとめ【2026年7〜9月】RyzaChatと声の判決

2026年7〜9月は、AIとゲームをめぐるニュースが国内で一気に増えた3か月でした。ライザと会話できるアプリ『RyzaChat:AI』の配信やレベルファイブの発表会映像をめぐる騒動がありました。声のパブリシティ権を認めた東京地裁の判決も出ており、遊ぶ人にも作る人にも関係する出来事が続いています。
この記事では2026年7月から9月までの主なニュースを日付つきで整理しました。それぞれに「遊ぶ人・作る人に何が関係あるか」を添えています。公式発表や主要なゲームメディアの報道で確認できたものだけを載せました。
先に全体を年表で見てから、新作と企業の方針、開発の現場、権利の順に読む構成です。最後に10月以降に注目したい予定もまとめています。
この記事の目次
2026年7〜9月のAIゲームニュース3大トピック
3か月分のニュースを並べると、大きく3つの流れが見えてきます。
会話そのものを遊ぶ公式ゲームが登場した
8月25日に配信された『RyzaChat:AI』は、人気シリーズの公式ライセンスを受けたAI会話RPGです。キャラクターと話すことで冒険や調合が進みます。続く9月の東京ゲームショウでは、同じ形式の『SophieChat:AI』も発表されました。AIとの会話が、既存の有名IPで遊ぶ手段の1つになりつつあります。
ユーザーに見せる場面での使い方に厳しい目が向いた
9月にはレベルファイブの発表会映像に生成AIが使われていたことが批判を受け、社長が謝罪しました。8月のgamescomでも、生成AIを使った作品が海外メディアで取り上げられています。開発の効率化には広く使われる一方、プレイヤーの目に触れる部分では慎重さが求められています。
声の権利がはっきりしてきた
8月に法務省が声の無断利用に関する解釈指針を公表しました。9月30日には東京地裁が、声もパブリシティ権の保護対象になり得ると初めて判断しています。合成音声をゲームに使う人にとって、見過ごせない変化です。

7〜9月の主なニュース年表
まずは日付順に一覧で確認します。詳しい内容と影響は次の章から説明します。
| 日付 | 出来事 | 主に関係する人 |
|---|---|---|
| 7月13日 | Sulka Haro氏がSteamのAI開示作品の分析を公開。2026年の新作の30.8%が開示 | 作る人 |
| 7月13日 | miHoYoの『BSide: Olivia Lin』が海外向けに早期アクセス開始 | 遊ぶ人 |
| 7月16日 | MONO ENTERTAINMENTが『AIドット絵バトル』を8月21日発売と発表 | 遊ぶ人 |
| 7月22〜24日 | CEDEC2026開催。スクウェア・エニックスが3D生成AI「ATOGiS」を発表 | 作る人 |
| 7月下旬 | 完全オフラインのAI会話ゲーム『励ます信長』がSteamで配信 | 遊ぶ人 |
| 7月31日 | 電通が生成AIでキャラクターを作るPCゲーム『Verse of Birth』を発表 | 遊ぶ人・作る人 |
| 8月7日 | 法務省が声や肖像の無断利用に関する解釈指針を公表 | 作る人 |
| 8月12日 | LLMで会話する脱出ゲーム『AI2U』がSteamで正式版に | 遊ぶ人 |
| 8月25日 | 『RyzaChat:AI』配信開始(当初予定の8月18日から延期) | 遊ぶ人 |
| 8月26日 | gamescomの発表会で生成AIを使う作品が海外で話題に | 遊ぶ人・作る人 |
| 9月3日 | 『inZOI』v0.10.0配信。Smart Zoiが状況に合わせて行動するよう改善 | 遊ぶ人 |
| 9月10〜17日 | レベルファイブの発表会映像の生成AI使用が批判され、社長の謝罪と公式声明 | 遊ぶ人・作る人 |
| 9月17日 | CESAが初の生成AI調査を公表。開発者の85.8%が業務で利用 | 作る人 |
| 9月17〜20日 | 東京ゲームショウ2026。AI関連の出展が相次ぐ(21日は台風で中止) | 遊ぶ人・作る人 |
| 9月18日 | 『SophieChat:AI』発表 | 遊ぶ人 |
| 9月26日 | 時事通信が声優の声の無断模倣被害を報道 | 作る人 |
| 9月30日 | 東京地裁が声もパブリシティ権の保護対象になり得ると判断 | 作る人 |
| 9月下旬 | AI DungeonとVoyageが「いいね」数の表示をやめ、プレイ数などの表示に変更 | 遊ぶ人 |
新作・配信のニュース
遊ぶ人に直接関係する新作や配信の話題から見ていきます。
8月25日、『RyzaChat:AI』が配信開始
SpiralAIがコーエーテクモゲームスのライセンスを受けて開発したiOS・Android向けのアプリです。ボタンやコマンドはなく、ライザに話しかけるだけで旅や調合や戦闘が進みます。当初は8月18日配信の予定でしたが、事前登録が想定を超えたためサーバーを強化して25日に延期されました。
AUTOMATONの報道によると、イラストは手描きで、画像や動画の生成AIは使っていません。ボイスは原作でライザを演じるのぐちゆりさんの収録をもとにしています。8月27日には運営が、規約の範囲で会話を楽しむよう呼びかけました。安全上の制限をすり抜けて不適切な発言をさせる行為などが広がったためです。東京ゲームショウでの発表によると、発話数は1,500万回を超え、配信時にはApp Storeのエンタメ部門で1位になりました。
遊ぶ人に関係するのは料金の仕組みです。基本無料ですが、会話にはトークンを使い、App Storeでは月額のサブスクリプションを含むアプリ内課金が190円から6,000円の範囲で表示されています。App Storeのレビューでは、トークン消費や記憶への不満も目立ちます。作る人にとっては、手描きの絵と本人の声を使い、収益を絵師や声優に還元するという方針が1つの手本になるでしょう。
9月18日、『SophieChat:AI』を発表
東京ゲームショウ2026で、『ソフィーのアトリエ2』を題材にした『SophieChat:AI』が発表されました。開発は同じSpiralAIで、スマートフォン向けです。配信時期は決まっていません。発表の場にはソフィー役の声優も登壇しました。RyzaChat:AIの形式が1作で終わらず、シリーズとして広がる見込みが示された形です。
8月12日、『AI2U』がSteamで正式版に
AlterStaffの『AI2U: 最後まで一緒だよ∼病みかわ猫耳AI彼女』が早期アクセスを終え、正式版になりました。プレイヤーに執着する少女たちの部屋から、会話を通じて脱出するアドベンチャーです。ストアの説明では、絵や音楽はAIで作っておらず、会話だけをLLMと音声合成で生成しています。日本語は画面・音声・字幕のすべてに対応しています。
遊ぶ人にとっては、ストアで買い切りの価格が示されている点が選びやすさにつながるでしょう。定価は1,700円で、プレイにはネット接続が必要です。
7月下旬、オフラインで動く『励ます信長』
励まし研究所の『励ます信長』は、織田信長に相談すると励ましてくれるAI会話ゲームです。Steamのストアでは、すべての処理がPCの中で完結し、外部のサーバーには送信しないと説明されています。価格は655円で、メモリは8GB以上が必要です。会話の内容を外に出したくない人にとって、選択肢が増えました。
そのほかの新作とアップデート
- 7月13日、miHoYoの『BSide: Olivia Lin』が海外向けに早期アクセスを始めました。生成AIが手紙や音楽の体験を担うPC向けソフトで、日本では提供されていません。
- 7月16日、MONO ENTERTAINMENTが『AIドット絵バトル』を8月21日に発売すると発表しました。描いた絵をAIがモンスターにして名前や特徴を付け、対戦させるSteamのゲームです。
- 9月3日、KRAFTONの『inZOI』がv0.10.0を配信しました。AIで動く住人のSmart Zoiが、場所や仕事、イベントなどの状況を踏まえて行動を選ぶようになっています。
- 9月下旬、AI DungeonとVoyageが作品ページの「いいね」数をやめ、実際のプレイ数などを表示する形に変えました。遊ぶ作品を選ぶ目安が変わります。
AIと会話できる作品をまとめて比べたい人はAIと会話できるゲームおすすめも参考にしてください。

企業の方針と炎上のニュース
次は、企業がAIをどこまで使うかをめぐる話題です。作る人にとっては、プレイヤーがどこに線を引いているかを知る材料になります。
9月10〜17日、レベルファイブの発表会映像をめぐる騒動
9月10日に配信された「LEVEL5 VISION 2026 II 夢」の映像に、生成AIの使用が見られると批判が集まりました。『妖怪ウォッチ2 覇道』の映像では、前日のNintendo Directで流れたものとキャラクターの顔などが違うと指摘されています。
日野晃博社長は9月12日に公式Xで謝罪し、発表会を派手にしたいという思いからAIを使った処理を入れたと説明しました。発売されるゲームに安易なAIの出力データは入らないとも述べています。開発期間を5年から2年に縮めたいという目標にも触れ、これも話題になりました。9月17日の公式声明では修正版の映像を公開し、ユーザーに届ける映像ではAIの直接使用を避けると約束しています。
遊ぶ人にとっては、公式が使い方を説明し、改める姿勢を示した例になりました。作る人にとっては、宣伝映像のようなプレイヤーの目に入る素材が特に厳しく見られるという教訓です。
8月26日、gamescomの発表会でも生成AIが話題に
Kotakuは8月26日の記事で、gamescomのOpening Night Liveに登場した作品のうち、生成AIの使用が分かっているものを並べました。Steamで開示している作品や、過去にAI素材を指摘されて差し替えを約束した作品が含まれています。海外でもプレイヤーの視線は厳しく、ストアでの開示内容が注目されています。
7月31日、電通がAIでキャラを作るゲームを発表
電通は、プレイヤーが入力した言葉から名前や外見や能力を組み合わせ、キャラクターを生成するPCゲーム『Verse of Birth』を発表しました。Adobe Fireflyを使い、権利面と安全性に配慮した基盤で開発したと説明しています。Steamで2026年内に配信する予定です。生成AIを使うゲームで、どのモデルを選んだかを説明する例として参考になります。
開発の現場のニュース(CEDEC・TGS・調査)
作る人向けの話題です。大手の取り組みや統計は、個人で作る人にとっても使い方の目安になります。
7月22〜24日、CEDEC2026でスクエニが「ATOGiS」を発表
横浜で開かれたCEDEC2026で、スクウェア・エニックスが研究中の3D生成AI「ATOGiS」を紹介しました。GameBusiness.jpのレポートによると、画像から形状を作るAIとリトポロジのAIの2つで構成されています。学習には社内で作った武器や背景などの3Dアセット約6万点だけを使いました。外部からライセンスを受けた素材は除いています。H100を8基使い、まだ研究段階で、品質を上げてから活用を広げる方針です。
作る人にとっては、自社の素材だけで学習させることで権利の不安を減らすという考え方が参考になります。
9月17日、CESAが初の生成AI調査を公表
コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が、生成AIの利用に関する初の調査結果を公表しました。ゲーム開発者1,349人のうち85.8%が業務で生成AIを使っていて、日常的に使う人は63.0%でした。課題の1位は著作権や知的財産権で、人による確認を管理の方法として挙げる会社が多くなっています。460ページの報告書は12月に公開される予定です。
9月17〜20日、東京ゲームショウ2026のAI出展
30周年の東京ゲームショウ2026は、過去最多の1,138企業・団体が出展しました。当初は21日までの5日間の予定でしたが、21日は台風25号の接近で一般公開を中止しています。4日間の来場者は25万7,642人でした。
ITmedia NEWSによると、会場では開発向けのAI出展が目立ちました。HEROZの導入支援サービスやジールのシナリオ評価ツール「STORYAI」、AdobeのFireflyなどです。岩手のDefiosは、会話で人に化けた存在を見破るホラー『Do I Know You?』と、応援の言葉をAIが採点する『マッスルキングダム』を出展しています。『Do I Know You?』はSteamでは「近日登場」の扱いです。
7月13日、Steamの新作の約3本に1本がAIを開示
『Pax Dei』を手がけるMainframe IndustriesのSulka Haro氏が、2023年7月から2026年7月にSteamで出た53,597本を調べた分析を公開しました。AIの使用を開示した作品は、2024年の10.9%から2025年は19.9%、2026年は30.8%に増えています。
ただし売上に占める割合は一部にとどまり、2026年1〜3月の新作では本数の28%に対して推定売上は17%でした。売れている作品は、音声やローカライズなど補助的な用途でAIを使う例が多いと分析されています。Steamで売る準備はSteamでAI生成ゲームを売る方法でまとめました。

声と権利のニュース
7〜9月で、作る人に一番影響が大きいのが声の権利の話題です。
8月7日、法務省が声の無断利用について解釈指針を公表
法務省は、生成AIによる肖像や声の無断利用に関する有識者検討会の報告書を公表しました。声も「パブリシティ権」と「みだりに利用されない権利」の対象に含まれるという解釈を示しています。報道では、声優や歌手の声をまねたAI音声のカバーをSNSで公開し収益を得れば侵害になり得る例が紹介されました。ものまねや声まねは基本的に侵害しないとも説明されています。
9月26日、声優業界の被害の報道
時事通信は、生成AIで声優の声を無断で再現する被害が広がっていると報じました。日本俳優連合には、性的な言葉を言わされたといった相談が寄せられています。日俳連の代表理事は、声の経済的な権利が認められることへの期待を語りました。
9月30日、東京地裁が声のパブリシティ権を初めて判断
声優の津田健次郎さんが、自分の声に似たAI音声を使った動画をめぐってTikTokの運営会社を訴えた裁判の判決です。東京地裁は、人の声は肖像と同じく人格の象徴であり、パブリシティ権の保護対象になり得ると判断しました。投稿者がすでにアカウントを削除し、動画もサーバーから消えていたため、削除の請求は棄却されています。
作る人にとっては、実在の声優に似せた合成音声を使うリスクがはっきりした出来事です。著作権や規約の確認方法はAIで作ったゲームの著作権と規約チェックリストで詳しく説明しています。
遊ぶ人・作る人への影響を整理
3か月のニュースを、立場ごとに分けて整理するとこうなります。
遊ぶ人
公式IPのAI会話ゲームが登場し、好きなキャラクターと自由に話せる作品が増えました。一方で、会話ごとに課金がかかる仕組みもあります。始める前にストアで課金の方式と年齢区分を確認しておくと安心です。会話の内容を外部に送らないオフライン型の作品も出ています。
作る人
開発者の8割超が生成AIを使う時代になりました。ただしプレイヤーの目に入る絵や映像、実在の人に似た声は厳しく見られます。Steamの開示を正直に書くこと、声の権利を侵害しないこと、使ったモデルや素材の出どころを説明できるようにしておくことが大切です。

2026年10〜12月に注目したい予定
次の3か月で動きがありそうな話題を、発表済みの予定から挙げます。
- 『SophieChat:AI』の配信時期の発表
- 『RyzaChat:AI』で予告されている最大4人で遊べるマルチプレイモード
- CESAの生成AI調査の報告書(12月公開予定)
- Defiosの『Do I Know You?』の発売時期
- 電通の『Verse of Birth』のSteam配信(2026年内予定)
- 『BSide: Olivia Lin』の早期アクセス期間の終了(2026年末まで)
このほか、声の権利をめぐる判決を受けて、ゲーム会社や音声合成サービスがどう対応するかも注目点です。AIゲームの基本から知りたい人はAIゲームとはから読むと流れがつかめます。
よくある質問
RyzaChat:AIは無料で遊べますか
ダウンロードは無料ですが、会話にはトークンを使います。App Storeでは月額のサブスクリプションを含むアプリ内課金が表示されています。年齢区分は18歳以上で、プライバシーポリシーの対象も18歳以上です。
SophieChat:AIはいつ配信されますか
2026年9月18日の発表時点では、配信時期は未定です。対応機種はスマートフォンと発表されています。
レベルファイブのゲーム本編にはAIが使われていますか
レベルファイブは9月17日の公式声明で、ゲームの内容にAIの直接使用はないと説明しています。今後はユーザーに届ける映像でAIを直接使わないとも約束しました。
声のパブリシティ権の判決は個人のゲーム制作にも関係しますか
関係します。実在の声優や配信者に似せた合成音声をキャラクターに使い、収益を得れば権利侵害を問われるおそれがあります。声の提供者が利用条件を示している音声合成サービスを選ぶのが安全です。
Steamの新作のうちAIを使った作品はどれくらいありますか
Sulka Haro氏の分析では、2026年に出た作品の30.8%がAIの使用を開示していました。2024年は10.9%、2025年は19.9%で、年々増えています。
まとめ
2026年7〜9月は、AIとの会話を遊びの中心にした公式ゲームが登場した時期でした。同時に、プレイヤーの目に触れる素材や声の扱いに、社会のルールが追いついてきた時期でもあります。遊ぶ人は課金の仕組みとデータの扱いを、作る人は開示と権利を確認する習慣が欠かせません。
この記事のまとめ
- 8月25日に『RyzaChat:AI』が配信され、9月18日には『SophieChat:AI』が発表された
- 8月12日に『AI2U』が正式版になり、7月にはオフライン型の『励ます信長』も出た
- レベルファイブは発表会映像の生成AI使用を謝罪し、ユーザー向け映像では直接使わないと約束した
- CESAの調査では開発者の85.8%が業務で生成AIを使っている
- Steamの2026年の新作の30.8%がAIの使用を開示している
- 8月の法務省の指針と9月30日の東京地裁判決で、声の権利がはっきりしてきた











