Godot AIの使い方【2026年版】禁止の中身とGDScriptの間違い対策

GodotでAIを使ってゲームを作ることは問題なくできます。検索で見かける「Godot AI 禁止」は、Godotの貢献(プルリクエストや提案・issue)に関する方針の話で、自分のゲームをAIの助けで作ることを禁じるものではありません。2026年6月30日にGodot Foundationが公式ブログで発表した内容が元になっています。
実際に困るのは禁止よりも、AIがGodot 3の古い書き方を混ぜて返すことです。Godot 4でエラーになる書き方が、そのまま出てきます。禁止の中身は、まず原典で確かめました。そのうえで、AIが間違えやすい書き方の対照表と、AIに渡す指示の型を紹介します。結果を確かめる流れとMCPなどの連携方法も載せました。情報は2026年10月11日時点です。
この記事の目次
「Godot AI 禁止」は何を指しているのか
Godot Foundationは2026年6月30日付の公式ブログで、貢献ポリシーの変更を発表しました。背景として挙げられているのは、プルリクエストの数に対してレビューできる人が少ないことです。AIによる貢献が増えて、その負担が悪化したと書かれています。
ブログによると、改定後の貢献ポリシーには次の内容が入る予定です。いずれもGodotのGitHubリポジトリ(主にエンジン本体)に、コード・issue・提案を出す人に向けたものです。
- 自律的なAIエージェントの利用とバイブコーディングを禁止する。これはすでにGitHubリポジトリからの自動BANの対象になっている
- AIで相当量のコードを生成することを禁止する。すべてのコードは人が書くものとし、AIの補助はコード補完・正規表現・検索置換のような地味な作業に限る
- AIをコードの作成に使った場合は、プルリクエストの議論で開示する必要がある
- 人同士のやり取りにAIが生成した文章を使うことは認めない。人が書いた原文の機械翻訳は認められる
- すべてのプルリクエストは、マージの前に人が確認して承認する
あわせて、マージ済みのプルリクエストが3つ以下の新規貢献者は、新機能や大きなリファクタリングの前にメンテナーの許可が必要になる、とも書かれています。

自分のゲームづくりに関係するか
このブログは、Godotに貢献する人への方針です。Godotでゲームを作る人がAIを使うことには触れていません。ゲームの公開先ごとのAIの扱いは、それぞれのルールで決まります。Steamで売る場合の開示はSteamでAI生成ゲームを売る方法に、著作権や規約の確認項目はAIで作ったゲームの著作権と規約チェックリストにまとめています。
Godot Asset Storeの投稿ガイドラインも確認しました。2026年10月11日に取得した範囲では、AIに関する項目は見つかりませんでした。同じストアには、AIやLLMのタグを付けたエディタ向けプラグインが掲載されています。
改定の反映状況について
公式ブログは「改定する予定」と将来形で書かれています。確認した時点では、GitHubのCONTRIBUTING.mdにAIに関する記載は見つかりませんでした。Godotに貢献する予定がある人は、最新の貢献ガイドを必ず公式で確かめてください。
GodotとAIの相性はどこで決まるのか
相性のよい点は、Godotのファイルがテキストで読めることです。シーンを保存するTSCN形式は、公式ドキュメントで「ほぼ人が読める形で、バージョン管理しやすい」と説明されています。スクリプトのGDScriptも文字のファイルなので、コーディングエージェントなら、シーンとスクリプトの両方を読んで直せるのが強みです。
注意しておきたい点も2つあります。
- シーンのファイルには、初期値と同じプロパティが書かれない。読んだだけでは、ノードの設定がすべて見えるとは限らない
- ネット上にはGodot 3とGodot 4の情報が混ざっている。AIの答えにはGodot 3の書き方が混ざることがある。どちらの版かを指定しないと混ざりやすい
2026年10月時点の最新の安定版は4.7.2(2026年8月18日公開)です。Godot 3系にも3.6.3の保守リリースが2026年8月22日に出ています。3系も更新が続いており、今も3系向けの記事が書かれ続けています。記事やサンプルの版は、書かれたコードを見て判断するしかありません。
AIが間違えやすい書き方の対照表
AIにGodotのコードを頼むと、よく出てくるのがGodot 3の書き方です。下の表は、公式のGodot 3からGodot 4への移行ガイドと、各版のGDScriptリファレンスで確認できた変更をまとめたものです。AIの出力を受け取ったら、まずこの表の左側が残っていないかを確かめます。
| 項目 | Godot 3の書き方 | Godot 4の書き方 |
|---|---|---|
| エディタに出す変数 | export var speed |
@export var speed |
| ノードの取得を遅らせる | onready var label = get_node("MyLabel") |
@onready var label = get_node("MyLabel") |
| 待つ処理 | yield(get_tree().create_timer(5.0), "timeout") |
await get_tree().create_timer(5.0).timeout |
| シグナルの接続 | node.connect("health_depleted", self, "_on_health_depleted") |
node.health_depleted.connect(_on_health_depleted) |
| シグナルの発行 | emit_signal("health_changed", old_health, health) |
health_changed.emit(old_health, health) |
| プロパティの設定 | var hp setget set_hp |
変数の下に set(value): と get: を書く |
| キャラクター移動 | KinematicBody2Dとmove_and_slide(velocity) |
CharacterBody2Dと、velocityプロパティを設定してから引数なしのmove_and_slide() |
| ノード名 | Spatial、Sprite、Area |
Node3D、Sprite2D、Area3D |
| シーンの生成 | scene.instance() |
scene.instantiate() |
| 配列の操作 | array.empty()、array.remove(i) |
array.is_empty()、array.remove_at(i) |
| シーンの切り替え | get_tree().change_scene(path) |
get_tree().change_scene_to_file(path) |
| 再描画の依頼 | update() |
queue_redraw() |
| 経過時間の取得 | OS.get_ticks_msec() |
Time.get_ticks_msec() |
| 補間アニメーション | Tweenノード | create_tween()で作るTween |
| 色の定数 | Color.palegreen |
Color.PALE_GREEN |
| シェーダーの拡張子 | .shader |
.gdshader |

エラーが出ないのに動きが変わる点
移行ガイドには、名前が変わらないまま挙動だけが変わった点も書かれています。エラーにならないぶん、AIも人も見落としやすい部分です。
- 親クラスの
_ready()や_process()は、自動では呼ばれなくなった。親の処理が必要なら、子の関数の先頭でsuper()を書く randomize()はプロジェクトの読み込み時に自動で呼ばれる。毎回同じ乱数にしたいときは、_ready()で種を設定するcall_group()・set_group()・notify_group()は、既定ですぐに実行されるようになった。Godot 3では遅延されていた処理が同じフレーム内で走るため、順序や負荷が変わりうる- setterとgetterは、同じクラスの中から触ったときも、原則として呼ばれる。Godot 3の
setgetと同じ前提で書かれたコードは、動きが変わる
Godot 4の中でも変わった点
Godot 4と書いてあっても、安心はできません。4.3では、TileMapのレイヤーが個別のノードに分かれ、現在のリファレンスではTileMapに「TileMapLayerノードを使う」という非推奨の注記が付いています。
AIが古いチュートリアルを元にTileMapで答えると、エラーにはならなくても非推奨のAPIを使い続ける形になりかねません。4.xの細かい版まで指定しておけば、こうした差を避けやすくなります。
ポイント
対照表はAIに読ませる側にも使えます。表の左側を「使わない書き方」として指示に入れておくと、混ざりを減らせます。
AIに渡す指示の型
Godotでは、同じ依頼でも渡す情報の量で結果が大きく変わります。エンジンのバージョンやノードの構成、入力の名前が分からないと、AIはそれらを推測して書くからです。次の型で最初の依頼を出します。
Godot 4.7.2 のGDScriptで、2Dプラットフォーマーのプレイヤー移動を実装してください。
【前提】
・バージョンはGodot 4.7.2。Godot 3の書き方は使わない
・使わない書き方は export var, onready var, yield, KinematicBody2D, setget, instance()
・型ヒントを付ける
【シーン構成】
Player (CharacterBody2D)
├ Sprite2D
├ CollisionShape2D
└ AnimationPlayer
【入力アクション】
move_left, move_right, jump(Project Settingsで登録済み)
【依頼】
res://scripts/player.gd を新規に書いてください。
左右移動とジャンプ、重力を入れます。
【守ること】
・変更するファイルは player.gd だけ
・使うAPIがGodot 4にあるか、不安なものは「要確認」と注記する
・終わったら、動作確認の手順を3つ書く
ポイントは3つあります。バージョンを具体的な数字で書くこと、使わない書き方を名指しすること、変更してよいファイルを限ることです。名指しの項目は、前の章の対照表からそのまま持ってこられます。
何度も使う前提は固定文にしておく
毎回同じ前提を貼るのは手間です。Claude Codeのようなコーディングエージェントなら、プロジェクトの説明ファイルに書いておけば、起動のたびに読まれます。書く内容は、バージョンと使わない書き方、シーンの命名規則、入力アクション名、スクリプトの置き場所です。プロンプトの組み立て方の基本はゲーム制作のプロンプトの書き方にまとめています。コーディングエージェントの使い方はClaude Code・Codexでゲームを作る方法で説明しています。
生成したコードを確かめる流れ
AIの出力は、Godotで実行する前に1段階ふるいにかけると、手戻りが減ります。次の順で進めます。
- STEP 1対照表で検索古い書き方が残っていないか
- STEP 2構文だけ確かめるコマンドラインで解析
- STEP 3実行するエディタかコマンドで起動
- STEP 4エラーを貼る全文と行番号ごと
- STEP 5差分を確認するバージョン管理で戻せる形に
STEP 2で使えるのが、Godotのコマンドライン引数です。公式のコマンドライン解説には、次の3つが載っています。
--headlessは、ウィンドウを出さずに動かすモードです。--scriptと一緒に使うと便利とされている--scriptは、指定したスクリプトを実行します--check-onlyは、エラーの解析だけをして終了します。説明では--scriptと一緒に使うとされている
godot --headless --path ./my-game --script res://scripts/player.gd --check-only
パスとスクリプト名は自分のプロジェクトに合わせます。出力の見え方は未確認です。手元で一度試して、エラーがどう表示されるかを確認してください。

注意
エラーはメッセージの全文を貼るのが基本です。行番号とスクリプトのパスが入っていると、直す箇所を絞りやすくなります。直ったコードは元のファイルと差分を取り、触ってはいけない箇所が変わっていないかを確かめます。
MCPやプラグインでAIをGodotにつなぐ
チャット画面にコードを貼るだけでは、AIにシーンも実行結果も見えません。見える範囲を広げる方法が、MCPサーバーやエディタ向けのプラグインです。どちらも個人や企業が公開している外部のツールで、Godot公式のものではありません。
| つなぎ方 | AIが見られるもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
| チャット画面に貼る | 貼ったコードと文章だけ | 短い関数やエラーの相談 |
| コーディングエージェント | プロジェクトのファイル(.gdと.tscn) | 複数ファイルの修正、リファクタリング |
| MCPサーバー | エディタの起動と実行結果、デバッグ出力、シーンの構成 | 実行して確かめながら直させたいとき |
| エディタ向けプラグイン | 開いているスクリプトやシーン | エディタを離れずに相談したいとき |
godot-mcpの場合
GitHubで公開されているCoding-Soloのgodot-mcpは、MCPサーバーの1つです。AIがGodotのエディタを起動してプロジェクトを実行し、デバッグ出力を取得できるようになります。READMEでは、動かすのにNode.js(18以上)とnpmが必要とされています。Claude Codeへの登録は、次の1行です。
claude mcp add godot -- npx @coding-solo/godot-mcp
Godotの実行ファイルの場所を指定するときは、環境変数のGODOT_PATHを使います。READMEには、シーンの作成やノードの追加、Godot 4.4以降のUIDの管理も機能として挙げられています。
エディタ側にプラグインを入れる場合
GDAI MCPは、Godotのエディタにプラグインを入れて、MCPクライアントからエディタを操作する方式です。READMEには、シーンやノードとスクリプトの作成ができると書かれています。スクリプトエラーやデバッガの出力も確認でき、対応するGodotは4.1以降です。料金体系はREADMEからは確認できなかったため、無料で試せるかどうかは配布元で確認してください。
この種のツールは更新が早く、導入手順や対応版が変わります。導入の前に、各リポジトリのREADMEで最新の手順を確認してください。AIの連携全般の考え方は、ChatGPT・Geminiでゲームを作る方法も参考になります。

ChatGPTとClaudeはどちらが合うのか
「Godotにはどちらがいいか」と気になる人は多いはずです。ただ、公式の資料にはモデルごとの比較がありません。確認できた比較記事は、Godot向けのAIツールを売る会社のブログで、第三者による検証が付いていません。そのため、特定のモデルが優れているとは書きません。
代わりに、自分の環境で手早くできる確かめ方を示します。同じ依頼文を使い、小さな課題を3つ出して、返ってきたコードを対照表と照らします。
| 課題 | 見る点 |
|---|---|
| 左右に動くプレイヤーを作る | CharacterBody2Dとvelocityを使っているか |
| 数秒待ってから処理を実行する | awaitを使っているか。yieldが出ないか |
| ボタンを押したら文字を変える | pressed.connect(...)の形か。引数を3つ渡す古い形ではないか |
この3つで古い書き方が出なければ、前提をきちんと渡せています。出た場合は、使うモデルを変えるより先に、指示に「使わない書き方」を足して再度試します。モデル名だけで決めずに、前の章の「何が見えるか」で選ぶのも手です。
Godot 3のプロジェクトをGodot 4に直すとき
Godot 3のプロジェクトがある場合も、先に公式の変換機能を使います。移行ガイドの手順は次のとおりです。
- バックアップを取る変換ツールは、元のプロジェクトのバックアップを作りません。バージョン管理かフォルダのコピーで保存します
- 3.xの最新の安定版にそろえる変換の前に、プロジェクトを3.xの最新の安定版にしておくことが推奨されています
- プロジェクトマネージャーで変換するGodot 4のプロジェクトマネージャーに取り込んで、Convert Full Projectを選ぶ流れです
- 残ったエラーをAIに渡す変換後はスクリプトに大量のエラーが出ることがあります。移行ガイドでも、作業の大部分は手作業のままだと書かれています
変換ツールはスクリプトの名前の置き換えなどを自動でやりますが、setterとgetterの書き換えは一部しか変換されません。シグナルの接続も、文字列の形のまま残ります。この残りの部分は、AIに渡して直してもらう候補になります。エラーの一覧と対照表の変更点を一緒に渡して、1ファイルずつ直してもらうのが現実的です。
よくある質問
Godotで生成AIを使ってゲームを作ってもよいですか
公式ブログの方針は、Godotへの貢献(プルリクエストや提案・issue)についてのものです。自分のゲームの制作にAIを使うことを禁じる内容ではありません。公開するストアや大会ごとのルールは、それぞれの公式の案内で確認してください。
「Godot AI 禁止」とは何のことですか
2026年6月30日にGodot Foundationが発表した、貢献ポリシーの変更を指す言い方です。AIで書いた相当量のコードや、自律的なAIエージェントによる貢献を受け付けない方針に改めると発表しました。
GodotにAIアシスタントは入っていますか
確認できた公式の資料では、エディタに組み込まれたAIアシスタントの案内は見つかりませんでした。Asset Storeには、AIやLLMを使う外部のプラグインが掲載されています。
AIが書いたコードがエラーになるときはどうしますか
まず対照表と照らして、Godot 3の書き方が混ざっていないかを確かめます。次に、バージョンと使わない書き方を指示に足して、エラーの全文を渡し直します。
MCPは必須ですか
必須ではありません。短いコードの相談なら、チャット画面で十分です。複数のファイルをまたぐ修正や、実行結果を見ながらの修正をさせたいときに検討します。
まとめ
GodotとAIを組み合わせるときに押さえることは、禁止の範囲を正しく知ることと、AIが古い書き方を混ぜる前提で進めることの2つです。禁止の話は、Godotへの貢献に関する方針でした。ゲームづくりでは、バージョンの指定と、使わない書き方の名指しが効きます。結果を確かめる手順も決めておけば、AIはGodotでも十分に役立ちます。
連携の方法は、チャット画面からエディタ向けプラグインまでの4通りです。AIが見られる範囲は、ここで挙げた順に広がります。まずは小さな課題で、使うツールがGodot 4の書き方で答えるかを確かめてください。
この記事のまとめ
- 「Godot AI 禁止」は、Godotへの貢献に関する2026年6月30日発表の方針で、ゲームの作り方を禁じるものではない
- AIが間違えやすいのはGodot 3の書き方。対照表の左側が残っていないかを確かめる
- エラーにならずに挙動が変わる点(親の関数の呼び出し、乱数、グループ呼び出し)にも注意する
- 指示にはバージョンの数字、使わない書き方、変更してよいファイルを入れる
- MCPやプラグインは外部ツール。AIが実行結果まで見られるようになるが、最新の手順はREADMEで確認する
- モデルの優劣は公式の資料では比べられない。小さな課題を3つ出して自分の環境で確かめる












