AIゲームの作り方 約14分で読めます

Godot AIの使い方【2026年版】禁止の中身とGDScriptの間違い対策

ゲームパッドと光る回路のような線に囲まれたコードエディタのイラスト

GodotでAIを使ってゲームを作ることは問題なくできます。検索で見かける「Godot AI 禁止」は、Godotの貢献(プルリクエストや提案・issue)に関する方針の話で、自分のゲームをAIの助けで作ることを禁じるものではありません。2026年6月30日にGodot Foundationが公式ブログで発表した内容が元になっています。

実際に困るのは禁止よりも、AIがGodot 3の古い書き方を混ぜて返すことです。Godot 4でエラーになる書き方が、そのまま出てきます。禁止の中身は、まず原典で確かめました。そのうえで、AIが間違えやすい書き方の対照表と、AIに渡す指示の型を紹介します。結果を確かめる流れとMCPなどの連携方法も載せました。情報は2026年10月11日時点です。

この記事の目次
  1. 01「Godot AI 禁止」は何を指しているのか
    1. 自分のゲームづくりに関係するか
  2. 02GodotとAIの相性はどこで決まるのか
  3. 03AIが間違えやすい書き方の対照表
    1. エラーが出ないのに動きが変わる点
    2. Godot 4の中でも変わった点
  4. 04AIに渡す指示の型
    1. 何度も使う前提は固定文にしておく
  5. 05生成したコードを確かめる流れ
  6. 06MCPやプラグインでAIをGodotにつなぐ
    1. godot-mcpの場合
    2. エディタ側にプラグインを入れる場合
  7. 07ChatGPTとClaudeはどちらが合うのか
    1. Godot 3のプロジェクトをGodot 4に直すとき
  8. 08よくある質問
  9. 09まとめ

「Godot AI 禁止」は何を指しているのか

Godot Foundationは2026年6月30日付の公式ブログで、貢献ポリシーの変更を発表しました。背景として挙げられているのは、プルリクエストの数に対してレビューできる人が少ないことです。AIによる貢献が増えて、その負担が悪化したと書かれています。

ブログによると、改定後の貢献ポリシーには次の内容が入る予定です。いずれもGodotのGitHubリポジトリ(主にエンジン本体)に、コード・issue・提案を出す人に向けたものです。

  • 自律的なAIエージェントの利用とバイブコーディングを禁止する。これはすでにGitHubリポジトリからの自動BANの対象になっている
  • AIで相当量のコードを生成することを禁止する。すべてのコードは人が書くものとし、AIの補助はコード補完・正規表現・検索置換のような地味な作業に限る
  • AIをコードの作成に使った場合は、プルリクエストの議論で開示する必要がある
  • 人同士のやり取りにAIが生成した文章を使うことは認めない。人が書いた原文の機械翻訳は認められる
  • すべてのプルリクエストは、マージの前に人が確認して承認する

あわせて、マージ済みのプルリクエストが3つ以下の新規貢献者は、新機能や大きなリファクタリングの前にメンテナーの許可が必要になる、とも書かれています。

ノートパソコンの画面にコードエディタが開かれ、横にメモ帳とコーヒーが置かれた机
方針の対象はGodotへの貢献で、ゲームの作り方ではない

自分のゲームづくりに関係するか

このブログは、Godotに貢献する人への方針です。Godotでゲームを作る人がAIを使うことには触れていません。ゲームの公開先ごとのAIの扱いは、それぞれのルールで決まります。Steamで売る場合の開示はSteamでAI生成ゲームを売る方法に、著作権や規約の確認項目はAIで作ったゲームの著作権と規約チェックリストにまとめています。

Godot Asset Storeの投稿ガイドラインも確認しました。2026年10月11日に取得した範囲では、AIに関する項目は見つかりませんでした。同じストアには、AIやLLMのタグを付けたエディタ向けプラグインが掲載されています。

改定の反映状況について

公式ブログは「改定する予定」と将来形で書かれています。確認した時点では、GitHubのCONTRIBUTING.mdにAIに関する記載は見つかりませんでした。Godotに貢献する予定がある人は、最新の貢献ガイドを必ず公式で確かめてください。

GodotとAIの相性はどこで決まるのか

相性のよい点は、Godotのファイルがテキストで読めることです。シーンを保存するTSCN形式は、公式ドキュメントで「ほぼ人が読める形で、バージョン管理しやすい」と説明されています。スクリプトのGDScriptも文字のファイルなので、コーディングエージェントなら、シーンとスクリプトの両方を読んで直せるのが強みです。

注意しておきたい点も2つあります。

  • シーンのファイルには、初期値と同じプロパティが書かれない。読んだだけでは、ノードの設定がすべて見えるとは限らない
  • ネット上にはGodot 3とGodot 4の情報が混ざっている。AIの答えにはGodot 3の書き方が混ざることがある。どちらの版かを指定しないと混ざりやすい

2026年10月時点の最新の安定版は4.7.2(2026年8月18日公開)です。Godot 3系にも3.6.3の保守リリースが2026年8月22日に出ています。3系も更新が続いており、今も3系向けの記事が書かれ続けています。記事やサンプルの版は、書かれたコードを見て判断するしかありません。

AIが間違えやすい書き方の対照表

AIにGodotのコードを頼むと、よく出てくるのがGodot 3の書き方です。下の表は、公式のGodot 3からGodot 4への移行ガイドと、各版のGDScriptリファレンスで確認できた変更をまとめたものです。AIの出力を受け取ったら、まずこの表の左側が残っていないかを確かめます。

項目 Godot 3の書き方 Godot 4の書き方
エディタに出す変数 export var speed @export var speed
ノードの取得を遅らせる onready var label = get_node("MyLabel") @onready var label = get_node("MyLabel")
待つ処理 yield(get_tree().create_timer(5.0), "timeout") await get_tree().create_timer(5.0).timeout
シグナルの接続 node.connect("health_depleted", self, "_on_health_depleted") node.health_depleted.connect(_on_health_depleted)
シグナルの発行 emit_signal("health_changed", old_health, health) health_changed.emit(old_health, health)
プロパティの設定 var hp setget set_hp 変数の下に set(value): と get: を書く
キャラクター移動 KinematicBody2Dとmove_and_slide(velocity) CharacterBody2Dと、velocityプロパティを設定してから引数なしのmove_and_slide()
ノード名 Spatial、Sprite、Area Node3D、Sprite2D、Area3D
シーンの生成 scene.instance() scene.instantiate()
配列の操作 array.empty()、array.remove(i) array.is_empty()、array.remove_at(i)
シーンの切り替え get_tree().change_scene(path) get_tree().change_scene_to_file(path)
再描画の依頼 update() queue_redraw()
経過時間の取得 OS.get_ticks_msec() Time.get_ticks_msec()
補間アニメーション Tweenノード create_tween()で作るTween
色の定数 Color.palegreen Color.PALE_GREEN
シェーダーの拡張子 .shader .gdshader
Godot 3と4の書き方の違いをモニターの左右に並べて見比べているデスクの様子
AIの出力と対照表を並べて、古い書き方を探す

エラーが出ないのに動きが変わる点

移行ガイドには、名前が変わらないまま挙動だけが変わった点も書かれています。エラーにならないぶん、AIも人も見落としやすい部分です。

  • 親クラスの_ready()や_process()は、自動では呼ばれなくなった。親の処理が必要なら、子の関数の先頭でsuper()を書く
  • randomize()はプロジェクトの読み込み時に自動で呼ばれる。毎回同じ乱数にしたいときは、_ready()で種を設定する
  • call_group()・set_group()・notify_group()は、既定ですぐに実行されるようになった。Godot 3では遅延されていた処理が同じフレーム内で走るため、順序や負荷が変わりうる
  • setterとgetterは、同じクラスの中から触ったときも、原則として呼ばれる。Godot 3のsetgetと同じ前提で書かれたコードは、動きが変わる

Godot 4の中でも変わった点

Godot 4と書いてあっても、安心はできません。4.3では、TileMapのレイヤーが個別のノードに分かれ、現在のリファレンスではTileMapに「TileMapLayerノードを使う」という非推奨の注記が付いています。

AIが古いチュートリアルを元にTileMapで答えると、エラーにはならなくても非推奨のAPIを使い続ける形になりかねません。4.xの細かい版まで指定しておけば、こうした差を避けやすくなります。

ポイント

対照表はAIに読ませる側にも使えます。表の左側を「使わない書き方」として指示に入れておくと、混ざりを減らせます。

AIに渡す指示の型

Godotでは、同じ依頼でも渡す情報の量で結果が大きく変わります。エンジンのバージョンやノードの構成、入力の名前が分からないと、AIはそれらを推測して書くからです。次の型で最初の依頼を出します。

Godot 4.7.2 のGDScriptで、2Dプラットフォーマーのプレイヤー移動を実装してください。

【前提】
・バージョンはGodot 4.7.2。Godot 3の書き方は使わない
・使わない書き方は export var, onready var, yield, KinematicBody2D, setget, instance()
・型ヒントを付ける

【シーン構成】
Player (CharacterBody2D)
├ Sprite2D
├ CollisionShape2D
└ AnimationPlayer

【入力アクション】
move_left, move_right, jump(Project Settingsで登録済み)

【依頼】
res://scripts/player.gd を新規に書いてください。
左右移動とジャンプ、重力を入れます。

【守ること】
・変更するファイルは player.gd だけ
・使うAPIがGodot 4にあるか、不安なものは「要確認」と注記する
・終わったら、動作確認の手順を3つ書く

ポイントは3つあります。バージョンを具体的な数字で書くこと、使わない書き方を名指しすること、変更してよいファイルを限ることです。名指しの項目は、前の章の対照表からそのまま持ってこられます。

何度も使う前提は固定文にしておく

毎回同じ前提を貼るのは手間です。Claude Codeのようなコーディングエージェントなら、プロジェクトの説明ファイルに書いておけば、起動のたびに読まれます。書く内容は、バージョンと使わない書き方、シーンの命名規則、入力アクション名、スクリプトの置き場所です。プロンプトの組み立て方の基本はゲーム制作のプロンプトの書き方にまとめています。コーディングエージェントの使い方はClaude Code・Codexでゲームを作る方法で説明しています。

生成したコードを確かめる流れ

AIの出力は、Godotで実行する前に1段階ふるいにかけると、手戻りが減ります。次の順で進めます。

  • STEP 1対照表で検索古い書き方が残っていないか
  • STEP 2構文だけ確かめるコマンドラインで解析
  • STEP 3実行するエディタかコマンドで起動
  • STEP 4エラーを貼る全文と行番号ごと
  • STEP 5差分を確認するバージョン管理で戻せる形に

STEP 2で使えるのが、Godotのコマンドライン引数です。公式のコマンドライン解説には、次の3つが載っています。

  • --headlessは、ウィンドウを出さずに動かすモードです。--scriptと一緒に使うと便利とされている
  • --scriptは、指定したスクリプトを実行します
  • --check-onlyは、エラーの解析だけをして終了します。説明では--scriptと一緒に使うとされている
godot --headless --path ./my-game --script res://scripts/player.gd --check-only

パスとスクリプト名は自分のプロジェクトに合わせます。出力の見え方は未確認です。手元で一度試して、エラーがどう表示されるかを確認してください。

モニターに実行中の2Dゲーム画面とエラー表示のパネルが並んだ開発の画面
実行して出たエラーは、全文のままAIに返す

注意

エラーはメッセージの全文を貼るのが基本です。行番号とスクリプトのパスが入っていると、直す箇所を絞りやすくなります。直ったコードは元のファイルと差分を取り、触ってはいけない箇所が変わっていないかを確かめます。

MCPやプラグインでAIをGodotにつなぐ

チャット画面にコードを貼るだけでは、AIにシーンも実行結果も見えません。見える範囲を広げる方法が、MCPサーバーやエディタ向けのプラグインです。どちらも個人や企業が公開している外部のツールで、Godot公式のものではありません。

つなぎ方 AIが見られるもの 向いている場面
チャット画面に貼る 貼ったコードと文章だけ 短い関数やエラーの相談
コーディングエージェント プロジェクトのファイル(.gdと.tscn) 複数ファイルの修正、リファクタリング
MCPサーバー エディタの起動と実行結果、デバッグ出力、シーンの構成 実行して確かめながら直させたいとき
エディタ向けプラグイン 開いているスクリプトやシーン エディタを離れずに相談したいとき

godot-mcpの場合

GitHubで公開されているCoding-Soloのgodot-mcpは、MCPサーバーの1つです。AIがGodotのエディタを起動してプロジェクトを実行し、デバッグ出力を取得できるようになります。READMEでは、動かすのにNode.js(18以上)とnpmが必要とされています。Claude Codeへの登録は、次の1行です。

claude mcp add godot -- npx @coding-solo/godot-mcp

Godotの実行ファイルの場所を指定するときは、環境変数のGODOT_PATHを使います。READMEには、シーンの作成やノードの追加、Godot 4.4以降のUIDの管理も機能として挙げられています。

エディタ側にプラグインを入れる場合

GDAI MCPは、Godotのエディタにプラグインを入れて、MCPクライアントからエディタを操作する方式です。READMEには、シーンやノードとスクリプトの作成ができると書かれています。スクリプトエラーやデバッガの出力も確認でき、対応するGodotは4.1以降です。料金体系はREADMEからは確認できなかったため、無料で試せるかどうかは配布元で確認してください。

この種のツールは更新が早く、導入手順や対応版が変わります。導入の前に、各リポジトリのREADMEで最新の手順を確認してください。AIの連携全般の考え方は、ChatGPT・Geminiでゲームを作る方法も参考になります。

エディタの画面とターミナルが並び、AIが操作した結果が確認されているデスク
MCPでは、AIが実行結果まで見て直せる

ChatGPTとClaudeはどちらが合うのか

「Godotにはどちらがいいか」と気になる人は多いはずです。ただ、公式の資料にはモデルごとの比較がありません。確認できた比較記事は、Godot向けのAIツールを売る会社のブログで、第三者による検証が付いていません。そのため、特定のモデルが優れているとは書きません。

代わりに、自分の環境で手早くできる確かめ方を示します。同じ依頼文を使い、小さな課題を3つ出して、返ってきたコードを対照表と照らします。

課題 見る点
左右に動くプレイヤーを作る CharacterBody2Dとvelocityを使っているか
数秒待ってから処理を実行する awaitを使っているか。yieldが出ないか
ボタンを押したら文字を変える pressed.connect(...)の形か。引数を3つ渡す古い形ではないか

この3つで古い書き方が出なければ、前提をきちんと渡せています。出た場合は、使うモデルを変えるより先に、指示に「使わない書き方」を足して再度試します。モデル名だけで決めずに、前の章の「何が見えるか」で選ぶのも手です。

Godot 3のプロジェクトをGodot 4に直すとき

Godot 3のプロジェクトがある場合も、先に公式の変換機能を使います。移行ガイドの手順は次のとおりです。

  1. バックアップを取る変換ツールは、元のプロジェクトのバックアップを作りません。バージョン管理かフォルダのコピーで保存します
  2. 3.xの最新の安定版にそろえる変換の前に、プロジェクトを3.xの最新の安定版にしておくことが推奨されています
  3. プロジェクトマネージャーで変換するGodot 4のプロジェクトマネージャーに取り込んで、Convert Full Projectを選ぶ流れです
  4. 残ったエラーをAIに渡す変換後はスクリプトに大量のエラーが出ることがあります。移行ガイドでも、作業の大部分は手作業のままだと書かれています

変換ツールはスクリプトの名前の置き換えなどを自動でやりますが、setterとgetterの書き換えは一部しか変換されません。シグナルの接続も、文字列の形のまま残ります。この残りの部分は、AIに渡して直してもらう候補になります。エラーの一覧と対照表の変更点を一緒に渡して、1ファイルずつ直してもらうのが現実的です。

よくある質問

Godotで生成AIを使ってゲームを作ってもよいですか

公式ブログの方針は、Godotへの貢献(プルリクエストや提案・issue)についてのものです。自分のゲームの制作にAIを使うことを禁じる内容ではありません。公開するストアや大会ごとのルールは、それぞれの公式の案内で確認してください。

「Godot AI 禁止」とは何のことですか

2026年6月30日にGodot Foundationが発表した、貢献ポリシーの変更を指す言い方です。AIで書いた相当量のコードや、自律的なAIエージェントによる貢献を受け付けない方針に改めると発表しました。

GodotにAIアシスタントは入っていますか

確認できた公式の資料では、エディタに組み込まれたAIアシスタントの案内は見つかりませんでした。Asset Storeには、AIやLLMを使う外部のプラグインが掲載されています。

AIが書いたコードがエラーになるときはどうしますか

まず対照表と照らして、Godot 3の書き方が混ざっていないかを確かめます。次に、バージョンと使わない書き方を指示に足して、エラーの全文を渡し直します。

MCPは必須ですか

必須ではありません。短いコードの相談なら、チャット画面で十分です。複数のファイルをまたぐ修正や、実行結果を見ながらの修正をさせたいときに検討します。

まとめ

GodotとAIを組み合わせるときに押さえることは、禁止の範囲を正しく知ることと、AIが古い書き方を混ぜる前提で進めることの2つです。禁止の話は、Godotへの貢献に関する方針でした。ゲームづくりでは、バージョンの指定と、使わない書き方の名指しが効きます。結果を確かめる手順も決めておけば、AIはGodotでも十分に役立ちます。

連携の方法は、チャット画面からエディタ向けプラグインまでの4通りです。AIが見られる範囲は、ここで挙げた順に広がります。まずは小さな課題で、使うツールがGodot 4の書き方で答えるかを確かめてください。

この記事のまとめ

  • 「Godot AI 禁止」は、Godotへの貢献に関する2026年6月30日発表の方針で、ゲームの作り方を禁じるものではない
  • AIが間違えやすいのはGodot 3の書き方。対照表の左側が残っていないかを確かめる
  • エラーにならずに挙動が変わる点(親の関数の呼び出し、乱数、グループ呼び出し)にも注意する
  • 指示にはバージョンの数字、使わない書き方、変更してよいファイルを入れる
  • MCPやプラグインは外部ツール。AIが実行結果まで見られるようになるが、最新の手順はREADMEで確認する
  • モデルの優劣は公式の資料では比べられない。小さな課題を3つ出して自分の環境で確かめる